多い大会への心得
甲子園への切符を手に入れて、あこがれの舞台に立つ―。相手はまだ決まらないし、新たな重圧もなく今が晴れがましさと喜びに包まれたいい日々だろう。
やがて甲子園での練習があり、組み合わせが決まると本番への心構えが違ってくる。大会が始まると試合以外に約束事がびっしりある。試合前のインタビューは当然のように組み込まれ、先の試合が長引くと待ち時間が増える。落ち着かない精神的な負担は重い。
戦う前の雑事や気苦労をどう軽減してやるか、これも指導者の手腕の一つ。懇意にしている監督は甲子園の心得として普段の訓練を大切にしている。学校での練習試合では室内で待機させ、ぎりぎりの刻限でグラウンドに出させる。甲子園でも室内の待機所から、急に明るいグラウンドに飛び出す。この感覚を学ばせるのだという。
▽無情の風か神風か
勝負に微妙な影を落とすのが甲子園に吹く風である。スコアボードの旗がぴくりとも動かない無風状態もあるが、ここの特徴は午後からの強い風で右翼から左翼に吹き流れる。これが甲子園の浜風で、余程のことがない限り方向に変化はない。この風が幸運を呼ぶ神風になったり、無情の風となって選手を泣かせてしまう。
この風も午前中と夕刻の時間帯に止まるときがあるのは凪(なぎ)のせいである。それ以外は間違いなく吹いていて、要警戒なのは4試合開催の日は第2、3試合になる傾向が強い。備えあれば憂いなし、と言っても、慣れない大舞台で風の強弱まで計算するのは大変だろう。失敗しても、これは災難とぐらいに考えてはいかがか…。
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